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セキュリティニュースをわかりやすく!専門家の解説記事をお届け#7

2024年8月28日
2024年8月29日

こんにちは。株式会社SHIFT SECURITYです。
株式会社SHIFT SECURITYでは、セキュリティを身近に感じてもらおうと、Voicyにてセキュリティのニュースを紐解くラジオを配信しています。様々なニュースを扱う中で、スマートフォンのセキュリティに関する内容をご紹介します。

今回の解説ニュース
インターネットバンキング預金等の不正払戻し、2023年度の被害件数は個人法人ともに前年度の3倍に
一般社団法人全国銀行協会は6月27日、盗難通帳、インターネット・バンキング、盗難・偽造キャッシュカードによる預金等の不正払戻し件数・金額等に関するアンケートの結果を発表した。(ニュース記事はこちら)


銀行からの不正払戻しについて発表されています。インターネットバンキングの不正払戻しが増加している背景や、インターネットバンキングを安全に利用するために、セキュリティの観点で気を付けるべきポイントについて説明します。

今回のレポートは、銀行189行を対象に、2024年3月末時点における「預金等の不正払戻し」や「口座不正利用」に関するアンケートを実施した結果を取りまとめたものです。結果として、インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻し件数・金額について、2023年度の個人顧客の被害件数は4,980件、被害金額は8,107,000,000円で、2022年度と比べ件数は3倍に、金額は4倍近くに激増しているということです。

インターネットバンキングの不正払戻しが増加している背景
インターネットバンキングの不正払戻しが急増している背景の一つとして、フィッシング詐欺の巧妙化が挙げられます。

フィッシング詐欺の手口として使われるなりすましメールは、あたかも金融機関から送られた本物のメールに見えるよう巧妙に作られています。近年では、差出人に実在する金融機関のドメインを使用したなりすましメールだけでなく、独自ドメインを使用する手口も増えています。また、メールだけでなく、SMSやメッセージツールなどが悪用される場合もあります。

それらの金融機関になりすましたメールによって、インターネットバンキングのIDとパスワードを窃取しようとします。近年、ワンタイムパスワードを使った二段階認証も普及していますが、ワンタイムパスワードそのものが盗み取られる被害も発生しています。二段階認証を設定したとしても、そのワンタイムパスワードが不正に取得されてしまうと、不正払戻しが行われてしまうことになりますので、注意が必要です。

インターネットバンキングを安全に利用するために
インターネットバンキングを安全に利用する方法として、フィッシング詐欺への基本的な対策を徹底することが必要です。

フィッシング詐欺で使われるなりすましメールは、インターネットバンキングの不正払戻しを行うための、最も一般的な手口です。金融機関からの本物に見えるように巧妙に作られているため、注意が必要です。

金融機関からのメールの場合、差出人アドレスがドメイン名まで一致していることを確認しましょう。不自然な場合は、なりすましメールである可能性があります。また、誤字脱字が多い、不自然な日本語が使われている、脅迫的な内容が含まれているなどの場合は、偽造メールの可能性があります。

メール本文にURLが記載されている場合は、マウスカーソルを合わせたり、スマートフォンであれば長押したりして、正規の金融機関のURLと一致していることを確認しましょう。もし、添付ファイルがある場合は、マルウェアが仕込まれていたり、偽のログインページに誘導するリンクが含まれていたりする場合があるので、注意が必要です。

二段階認証を設定していても、ワンタイムパスワードそのものが盗み取られないようにすることが必要です。家族や友人であっても、なりすましの可能性もありますので、ワンタイムパスワードを共有することは絶対に避けてください。

一通りの対策をした上で、不正払戻しと考えられる不審な取引がないか、定期的に確認しましょう。万が一、被害に遭ってしまった場合は、すぐに金融機関と警察に連絡し、与えられた指示に従ってください。

その他、セキュリティニュース解説は下記ブログで公開しています。
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